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浅海君・・・あの…酔っ払っているのだろうけど・・」 「酔ってません」 「いや・・・でもね、こんなおじさんをからかったら・・」 「からかってなんかいません」 ブッブ〜っ 「おきゃくさん〜乗るの乗らないの???」 「あぁ・・・すまん・・・次に譲るよ」 次に待っていた客が嬉しげに乗り込む。 「浅海君・・とにかく・・落ち着きなさい」 「私落ち着いてます」 「あぁそうか・・・」 「所長…私のことお嫌いですか? 」 「いや・・嫌いとかそういうのではないけど・・・」 「また、月曜にお電話します。その時にお返事聞かせてもらっていいですか?」 「あ・・・あぁ・・・あ・・・いや・・・」 「では、失礼します」 俺の返事を待たずに、彼女は来た時と同じように猛ダッシュで店のほうに向かって走って行った。 彼女から電話がかかってくる前にかけてきちんと断らなくては…そう思ってはいるのになかなかかけらけない。 「所長、あの・・・こんなこと聞いていいかどうか・・あれなんですけど…聞いていいですか?」 働き始めてしばらく経って、事務所で二人っきりになった時に彼女が急に言い出した。 「なんのことかな?」 「あの、私・・・前の美術館の時に草むしりをしていて・・それで偶然見つけてしまって・・」 「あっ…もしかして・・レンガ?・・・あれ・・見つかっちゃったか」 「あっすみません、でも私誰にも喋ってませんから」 彼女は他に誰もいないのに声をひそめる 「ハハハ・・いいんだよ。あれね、まぁ…記念にね」 「ユーサクさんっていうのは息子さんですか?」 「そうそう」 「今おいくつなんですか?」 「あいつは・・・いま15歳で・・反抗期真っただ中だよ・・そういえば浅海君以前・・初出勤初逃亡って話、しかけていたけど一体何だったのかな?」 「やだ・・所長覚えてらしたんですか?」 そう言って彼女は面白おかしく当時の話をしてくれた。 「そうか…浅海君はあの建物をそういう風に感じてくれたんだ」 「だから私、山下先生って方にお会いしたら絶対にお礼を言おうと思って待ちかまえていたんですけど…勢いあまって胸を刺してしまって・・・」 「いや、全然大丈夫だから・・・それより、嬉しいなぁ…あの建物は・・俺の中でも特に思い入れが強くてさ・・」 「そうなんですか?」 「まぁ…プライベートでいろいろあった時期に来た仕事で・・自分の中で現実とどう折り合いをつけていくかとか、どう生きていくかとか考えていた時期でさ・・・・なんていうか・・・奥歯を食いしばりながらやった仕事だったな・・」 「他にもあるんですか?」 「ん?」 「あのレンガ・・・他の建物にも置いてるんですか?」 「・・・・・・・・・」 「置いてるんですね?」 「本当に内緒だぞ」 「やっぱり・・・・・」 「いや、さすがに個人邸にはしてないけど、大きな建物とかなら絶対にわからなそうな場所に・・・」 「実は私、結構見つけましたよ」 「ええ?ほんとに?」 「はい・・・・今までで6か所見つけました。」 「それはすごい」 「あれ・・・全部で何か所にあるんですか?」 「ん?・・・・ええ・・・と・・・・・11ヶ所かな・・あっ・・海外にもあるな・・だから12ヵ所だ」 「すごいっ・・そんなにあるんですね・・・私が全部見つけたら・・所長ご褒美くれます?」 「ハハハ、12ヵ所全部かい?」 「はい」 「あぁいいよ・・・見事全部見つけたら・・・じゃあ俺にできることで、一つだけ願いをかなえてあげるよ」 「やった〜〜」 「おいおい、エルメスのバッグ1ダースとか言うのはなしにしてくれよな」 「そんなの興味ありません〜」 それから2度とその話は出ることがなかったとこをみると、見つけられなかったのだろう。 無理もない・・・自分でも・・忘れている場所だってあるくらいだ。 あのレンガ・・ライトをまねたわけではないけど・・妻が死んだ時から残すようになった。 子供の名前とい自分の名前・・・亡くなった妻にも仕上げた仕事が見えるようにと思って目印のような気持ちで入れ始めたのがとうとう今で15ヵ所もしてしまった。 そのことは誰にも話していないし、子供にもいっていない。 泣きながら俺をプラスチックバットで殴った日からあいつは俺の仕事を憎んでいるような気がする。 いつか・・・わかりあえる日が来たら・・二人で見つけるのも楽しいかもしれない。 そんな日が来るのかは分からないけど。 「RRRRRR」 ・・・・彼女だ・・・・くそっ・・・こっちからかけようと思ったのに…ぐすぐすしていたらかかってきてしまった・・・ 「はい・・・」 「所長?」 「ああ・・・」 「浅海です・・・あの・・・」 「ああ・・そのことだけど」 「・・・ダメなんですね?」 「いや、だめというか、君はまだ若くて・・・」 「だれか好きな方がいらっしゃるんですか?」 「いや、別にそういうわけでは・・・」 「私のこと、嫌いですか?」 「いや、そういうわけでも・・・・」 「・・・・・わかりました・・・・」 「浅海君・・・」 「所長、私・・・・レンガ14個見つけました」 「え?」 「あれから3個増えたのもちゃんと見つけました。今からハワイに行って最後の1個見つけてきます」 「は?浅海君?今からって?」 「今からハワイに行って必ず見つけてきますから、所長、あの約束守ってくださいね・・・では」 「おいっ浅海君?・・・」 「プープープー」 |
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親父編もおもしろいです、早く続きお願いします。サザン聞きながら読むとほんとのドラマみたいだと思います。 |
こうすけ 2008/10/14 06:41 |
こうすけ様 |
あほあほ管理者 2008/10/14 08:58 |
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