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「所長」 「・・・・・」 「所長っ」 「うわっ・・何・・・・何だ急に」 「さっきから何度か呼んでんすけど〜」 「あぁ、すまん・・・考えごとしていて・・・どうした森口君」 「あの〜S市の公園のことなんすけど〜」 「あぁどうだ?良い案が出たか?」 「アイディアがわき出て過ぎて僕って天才かな〜と思うんすけど〜」 「頼もしいなっ」 「先輩がどれもだめっていうんすよ〜」 「・・・・具体的にどんな案なんだ?」 「たとえば〜地下に秘密のプールをつくって〜」 「…公共物に秘密は・・・」 「たとえば〜動物園とコラボして〜」 「それはむしろ動物園に任せたほうんが・・・」 「所長も先輩と同じこと言うっすね」 「森口君・・・君のあふれるアイディアは素晴らしい・・・ただ、予算と規模とを考えてもう一度練り直してくれ・・それから現地にはもう行ったか?」 「まだ行ってないっす・・・」 「建築物をつくるということは、まず現地の空気や情景を自分の目で見てみないといいものは造れないよ。そこに足りないもの、そこを高めるもの、そこと溶け合うもの・・何が必要で何が大切かを自分の五感でしっかり感じてからたたき台を作るんだ」 「・・はい・・・」 森口は少ししょんぼりして戻っていった。 彼の感性は素晴らしい・・・そこを伸ばしてやりたい。 森口がとぼとぼと歩いている。 「あんたっ所長んとこ行ったの?」 「あぁ先輩・・・」 「ダメだって言われたでしょ?」 「はい・・・ていうか・・・所長がなんかエロス的なこと言ってました・・・あれってセクハラじゃないですかね?」 「は?所長が?あんたに?・・なわけないでしょっ・・・ったくなんて言われたのか言ってみなさいよ」 「なんか〜・・・現地に行けって言われて」 「あんたまだ現場見てなかったの?」 「それから〜股間で感じろって・・・しかも・・・叩けって・・・これセクハラっすよね?」 「・・・・・・・・あんた・・・・馬鹿だ馬鹿だと思ってたけど・・・ほんとに馬鹿だわ・・・一級バカ士だわ・・・」 「なにがっすかっ?」 「所長はね…五感で感じろっていったんでしょ?」 「五感ってなんすか?」 「・・・・たぶんあんたには・・・ないもんなんだわきっと・・」 「なんすかそれ?」 「そんなもん自分で調べなさいっ」 「こえ〜・・・」 今日から彼女がナミレスに行くかと思うと、なんだか気になり、結局行くことにした。 昼過ぎに自宅に戻り、取引先から電話が何本か入り、あれこれしているうちにユーサクが帰ってきた。 朝には多分ナミレスに行っているはずだから彼女には会っている・・・どういう風に思ったんだろう・・・ 俺はなるべく自然に 「おう、お帰り、何だ今日はマスターんとこ行かなかったのか?」と聞いた 「別に…毎日行ってるわけじゃねーし」 なんだか機嫌が悪い・・・ 俺は気を取り直し 「今日から新しい人が入ったんだってな」と聞いた。 「あぁ・・・・そう言えばいたっけな」 ほら見ろ、こんなもんだ・・高校生が自分より10歳以上年が離れている女性にそんなに興味を持つはずがない。 「どう思った?」 念のために訊いてみる 「は?」 「いや、どう思ったのかな?と思って」文法的におかしいか・・・ 「いや・・・どう思うも何も…まぁ…きれいな方なんじゃないの?オレはきょーみねーけどさ」 やっぱりそうなんだ…興味ないか・・・そんなもんなんだろう。 そのあと変にユーサクに突っ込まれあわてて適当なこと口走ったけど、そんなことはばれるはずがないからどうでもいい。 変な間が空き、ユーサクはシャワー浴びに行った。 17歳の時は父親とこんな感じだったかなぁ・・と自分のことを思い出しながら・・あっおやじはもういなかったな・・と思った。 「RRRRRR」 電話だ・・・マスターからだった。 「今日は店早く閉めて栞さんの歓迎会するから今すぐ来てくれっち」 「あぁ・・・ユーサクは?」 「まず打ち合わせしたほうがいいだろっ?いいからユーサクにはうちに来るって言わずに早く来てくれ」 「わかった」 ユーサクに書置きを残してナミレスに向かった。 店に行くとユーサクの友達が来ていた。 「あっおじさん、お久しぶりです」 「あぁ、佳樹君、どう?受験勉強はかどってる?」 「まぁ…ポチポチっすね」 「T大なんだろ?すごいな」 「いやぁ・・・受かったらすごいんすけどね」 「ユーサクは佳樹は絶対に受かるからっていってたよ」 「いやいや、ほんと・・いっぱいいっぱいですから」 「おうっおっさん歩いてきたのか?」 「あぁ、まぁ、飲むかなと思って」 「いい心がけでござーますな」 「なんか手伝うとかあるのか?」 「別にないから、まぁうちのかわい〜いウェイトレースゥが持ってくるカッフェーでも飲んでお待ちくださいやせ」 そういってカウンターの中に消えた。 「おじさん・・・」 佳樹が手まねきして呼んでいる。 「今日から入ったウェイトレスさん、栞さんって言うんでいすけど…超美人ですよ」 「ああ・・・・・そうなんだ」 「いやぁ・・・・ほんとあんなきれいな人見たことないっていうくらいですから・・・あっ来たっ」 「お待たせいたしました」 「ああ・・ありがとう」 「今日から入りました浅海栞と申します…よろしくお願いします」 「ああ・・」 ・・・・・ほんとに俺はさりげなくとかいうのが出来ない・・・ 「ねっ・・・おじさん・・きれいでしょ?28歳だそうですよ」 「佳樹君」 「はい??」 「彼女くらい年上の人でも君なら好きになったりするかな?」 「おじさん・・・当たり前じゃないですか?僕の許容範囲は16歳から39歳ですから」 ・・・・・いまどきの若者は恐ろしい・・・・ 話題を変えよう・・・ 「君確か・・・オセロが得意だったよね?どう?一勝負しないか?」 「オセロっすか?いいですよやりましょう」 カウンターにいる彼女にむかって 「浅海君、カウンターの下にオセロあるから持ってきてもらっていいかな」といった。 「おじさん、浅海君っていうんですね・・僕たちみんな栞さんって呼んでました・・」 「いや・・・ほら…会社とかだと普通下の名前で呼ばないから・・・ハハハ癖だな」 「あぁそうですよね」 ・・・・ほんとに俺は自然な感じが出来ない・・・・ そうこうしているうちにものすごい勢いでユーサクが入ってきた。 飛び込んできたと言っていいくらいの勢いだった。 水かなんかもらって、いきなり俺の方に来て 「テメー親父何やってんだよ」と言ってきた 「なにって・・・・オセロだけど?」とふつーに答えたら今度はカウンターのマスターのほうを見て顔を真っ赤にして口をパクパクしている。 どうせマスターにからかわれたんだろう・・・ ユーサクに佳樹のオセロの腕をほめると、気を使って佳樹はこの間受賞したデザイン賞の話を振ってくれた・・・が、ユーサクは興味なしだ。 他に客もいなくなり、ドアを閉めて照明を落とす。 夕日の一番美しく見えるあの席にセッティングがされていたので皆で移る。 「マスター、サザンかけてよ」 ここから夕日を眺めながらサザンを聞くのは一番好きな過ごし方だ。 選曲はマスターに任せて席に座る。 ♪〜♪〜 「栞のテーマ」だ・・・・見るとマスターが意味ありげにウィンクしていた。何が俺に任せろだ・・・あの男はほんとに砂場のアワビだ・・・ 子供達はそれには触れずなんだかんだとしゃべっている・・・この曲を知らないんだな・・・彼女と目があった・・俺に向かってにっこりとほほ笑み、あわてて表情を元にもどす。 輝く夕日に照らされた彼女の顔は金の粉をふりかけたみたいに綺麗だなと思った。 「お〜しっ出来たぞ〜」マスターが変装までして中国料理を次々運びだす。 ほんとにうまそうだ。 席に着いたマスターがなんだかんだとうんちくを披露しているとき、彼女が俺の席の隣に座った。 ソファシートなので席の境目がない・・そこに座り、彼女はいきなり僕の手を握った。 (え?)と思わず彼女を見ても知らんぷりして話を聞いて笑っている。 何が恋愛力がないんだ・・・こういうことがさらりとできるのか女ってやつは・・・・ そうこうしているうちに乾杯の音頭をマスターが取り、食事が始まった。 若者二人はさすがの食欲で気持ちがいいくらい食べている。 食べながら「質問タイム」に入ると 「栞さんは付き合っている人いるんですか?」ときた。 俺は内心ドキドキしながら聞いていたら 「え・・・・・っと・・・え・・・・っと・・・いません・・・」と俺の手をぎゅっと握ったままで答えた。 なぜかマスターまで一緒になってハイタッチをはしゃいでしている・・・あの男は一体どういうスタンスなんだろう・・・ 更に質問が続いた・・・・ そしてその答えは・・・俺の目をじっと見つめて・・・ 「好きになったら年は関係ないです」だった。 |
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同じシーンをユーサク編で読んでいるのに違う感じですね。40過ぎても、どちらかというと40過ぎたほうが男はこういうのに弱いかも。 |
こうすけ 2008/10/18 08:19 |
こうすけ様 |
あほあほ管理者 2008/10/18 14:33 |
管理人さんがお忙しいのかな?と思いつつ昨日も更新がなかったので続きが気になっています。今日は出張ですので新幹線の中でまた一から読みたいと思いますが、ぜひ更新もお願いします。 |
こうすけ 2008/10/19 07:00 |
こうすけ様 |
あほあほ管理者 2008/10/19 09:07 |
今日は子どもの水泳大会に来ています。何気なく開いたあほあほさんの小説…一気に読ませていただきました!第一章では、え?嘘!というほど胸が熱くなり、これはあほあほさんだけど、小説はあほあほさん流じゃないんだと…感動しながら迎えたラストシーンは!?だよね〜ヤラレましたわ(^_^;)でもでも、読み始めたら、やめられない止まらない!早く続き読みたい〜でもこの小説が終わるのは淋しい〜と、葛藤しているうちにどうやら大会も表彰式に…ありゃ!うちの子も表彰してもらってました…夢中になりすぎやし(^_^;)しっかし、さすがのあほあほさんの筆力に敬礼!脱帽!謝謝! |
ドモホルンリンクル-アラGO 2008/10/19 17:40 |
ドモホルンリンクル様 |
あほあほ管理者 2008/10/19 19:53 |
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